お子様の歯並びやかみ合わせについて相談にいらっしゃる保護者の方から、装置の種類が多くてどれを選べばよいのかわからない、というお声をよくいただきます。実際、小児矯正で使われる装置にはそれぞれ得意とする分野があり、お子様の年齢やあごの状態、歯の生え方によって適したものが変わってきます。上杉おとなこども歯科・矯正歯科では、こうした装置それぞれの特徴や向き不向きを丁寧にご説明したうえで治療を進めていますので、ここでは当院が取り扱う装置矯正について詳しくご紹介していきます。
プレオルソ|特徴とメリット・デメリット
やわらかい素材で作られた取り外し式の装置で、無理なく続けやすい点から比較的早い時期の矯正としてよく選ばれています。
特徴
やわらかいシリコン素材でできたマウスピース型の装置で、上下の歯列を同時に覆う一体型の構造をしています。主に就寝時と日中の決まった時間だけ装着して使用するため、学校生活などへの影響を抑えながら取り組める点が大きな特徴です。歯そのものを直接動かすというよりも、舌の位置や唇の閉じ方といった口周りの筋肉の使い方に働きかけ、歯並びが乱れる原因そのものを整えていく設計になっています。装着することで自然と正しい舌の位置や呼吸の仕方が身についていき、歯並びの土台となる環境そのものを改善していく点も見逃せません。
向いている方
- 前歯のわずかなでこぼこや軽い歯並びの乱れが気になるお子様
- 口呼吸や指しゃぶり、舌を前に出す癖があるお子様
- 永久歯がまだ生えそろっていない、比較的早い時期から矯正を始めたいご家庭
- 装置の違和感に敏感で、まずは負担の少ない方法から試してみたいお子様
メリット
取り外しができるため、食事や歯みがきの際には外すことができ、口の中を清潔な状態に保ちやすい点が大きな利点です。装着時間が就寝時を中心とした限られた時間であるため、日中の活動や学校生活への影響が少なく、無理なく続けやすい治療法だといえます。また、歯だけでなく舌や唇の使い方、飲み込み方といった口周りの機能そのものを整えていけるため、装置を終えたあとも歯並びが安定しやすくなるという長期的な利点も期待できます。見た目の変化だけでなく、呼吸の仕方や姿勢にまで良い影響が及ぶケースもあり、お口全体の発育を見据えた治療として選ばれています。
デメリット
決められた時間、しっかりと装着しなければ十分な効果が得られにくく、お子様ご本人の協力や習慣づけが欠かせない治療法です。装着を嫌がってしまう時期があると、思うように進まないこともあり、保護者の方が根気強く見守っていく必要があります。また、骨格的なズレが大きい場合や、歯の乱れがすでに著しい場合には、この装置だけでは十分な改善が難しく、他の矯正方法と組み合わせる必要が出てくることもあります。効果の現れ方には個人差があり、短期間で劇的な変化を期待できる治療法ではない点もあらかじめ理解しておいていただきたいポイントです。当院では、通院のたびに装着状況を確認しながら、無理なく続けていただけるよう声かけを行っています。
インビザライン・ファースト|特徴とメリット・デメリット
透明な素材でできた取り外し式の装置で、成長期のお子様の歯並びとあごの発育に合わせて設計された矯正法です。
特徴
透明なマウスピース型の装置を、あらかじめ計画された順序に沿って段階的に交換しながら歯を動かしていく治療法で、成長期のお子様の骨格や歯の生え変わりに合わせて設計されたものです。永久歯だけでなく乳歯が残っている混合歯列期にも対応できるよう作られており、歯の移動とあごの成長誘導を同時に進めていける点が特徴です。透明で薄い素材でできているため、装着していても目立ちにくく、周囲から気づかれにくいという特性もあります。
向いている方
- 歯の生え変わりが進んでいる混合歯列期のお子様
- 見た目への影響をできるだけ抑えながら矯正を進めたいご家庭
- 装置の自己管理をきちんと行える協力的なお子様
- 部分的な歯の乱れだけでなく、あご全体のバランスも整えていきたい場合
メリット
透明で目立ちにくいため、写真撮影や人前に出る機会が多いお子様でも装着による見た目の負担を感じにくい点が魅力です。取り外しができる装置であることから、食事や歯みがきの際には外すことができ、固定式の装置に比べて口の中を清潔に保ちやすいという衛生面での利点もあります。あらかじめ歯の動き方が計画されているため、治療の見通しを立てやすく、経過に応じて微調整を行いながら進めていける柔軟性も備えています。
デメリット
装着時間を守らなければ計画通りに歯が動かず、自己管理の意識が結果に直結する治療法です。取り外しができる分、装着を忘れてしまったり、外している時間が長くなってしまったりすると、治療期間が延びてしまう可能性があります。また、適応できる症例には一定の範囲があり、あごのズレが大きい場合や特殊な歯の生え方をしている場合には、他の装置と組み合わせて進める必要が出てくることもあります。装着状況は通院時に細かく確認していきますので、続けられるか不安な場合も遠慮なくご相談ください。
ワイヤー矯正(2×4装置など)|特徴とメリット・デメリット
前歯など限られた本数の歯にアプローチする固定式の装置で、取り外しの手間がなく着実に進めやすい治療法です。
特徴
前歯など限られた本数の永久歯にブラケットを取り付け、ワイヤーの力で少しずつ歯を動かしていく固定式の装置です。取り外しができない構造であるため、就寝中や食事中も含めて常に一定の力がかかり続け、狙った歯を確実に動かしていける点が特徴です。部分的な装置であるため、すべての歯にブラケットを装着する本格的な矯正とは異なり、限られた範囲の乱れを効率よく整えていく用途で用いられます。
向いている方
- 前歯の生え方に明らかな乱れが見られるお子様
- 特定の歯の傾きや重なりを早めに整えておきたい場合
- 取り外し式の装置では装着時間を守るのが難しいお子様
- 限られた本数の歯を集中的に動かしたい症例
メリット
装着している間は常に力がかかり続けるため、着脱を忘れる心配がなく、計画通りに歯を動かしやすい点が大きな利点です。取り外しの手間がないため、装着時間を意識する必要がなく、お子様ご自身の管理に左右されにくい治療法だといえます。限られた本数の歯にアプローチする装置であるため、比較的短期間で見た目の変化を実感しやすいケースが多いのも特徴です。
デメリット
固定式であるため、装置の周りに食べかすや汚れがたまりやすく、通常よりも丁寧な歯みがきが求められます。硬いものや粘着性のある食べ物を口にする際には、装置が外れたり変形したりしないよう配慮が必要になります。また、ワイヤーやブラケットが口の中に見えるため、装着中の見た目に抵抗を感じるお子様もいらっしゃいます。
床矯正装置|特徴とメリット・デメリット
あごの横幅そのものに働きかけ、永久歯のスペースを確保していく取り外し式の装置です。
特徴
プラスチックの土台に金属のねじやばねを組み込んだ取り外し式の装置で、装置の内部にあるねじを少しずつ調整することで、あごの横幅を広げながら永久歯が生えるためのスペースを確保していきます。歯を動かすというよりも、歯が並ぶ土台となるあごそのものの大きさを整えていく点に特徴があり、成長期の骨がやわらかい時期だからこそ効果を発揮しやすい治療法です。
向いている方
- 歯が並ぶスペースが不足している、あごの幅が狭いお子様
- 永久歯が生えるスペースをあらかじめ確保しておきたい場合
- 抜歯を避け、あご自体を広げることで歯並びを整えたいご家庭
- 成長期のうちに骨格へ働きかけておきたいお子様
メリット
取り外しができるため、食事や歯みがきの際に外すことができ、衛生的に管理しやすい点が魅力です。あごの成長そのものを利用して横幅を広げていけるため、将来的に抜歯が必要になるリスクを減らせる可能性がある点も大きな利点だといえます。装置内のねじを調整しながら少しずつ変化を進めていくため、お子様の負担を抑えながら段階的に治療を進めやすい特性もあります。
デメリット
装着時間を守らなければ十分な効果が得られにくく、ご家庭でねじを調整する作業も必要になるため、保護者の方の協力が欠かせません。取り外しができる分、装着を嫌がってしまうと計画通りに進みにくく、根気強い声かけが必要になる場面もあります。また、あごの成長を利用する治療法であるため、効果を得られる時期には限りがあり、成長のタイミングを逃さないことが重要になります。ご家庭での調整に不安がある場合は、通院時に一緒に確認しながら進めていきますのでご安心ください。
フェイスマスク|特徴とメリット・デメリット
上あごの成長そのものに働きかける装置で、骨格的な受け口の改善を目的として使用されます。
特徴
顔の外側に装着するフレームと、口の中の装置とをゴムでつなぎ、上あごを前方に引き出すように力をかけていく装置です。主に自宅で過ごす時間や就寝時に使用し、上あごの成長を前方へ促していくことを目的としています。あご自体の位置関係に働きかける治療法であるため、歯だけを動かす装置とは根本的にアプローチが異なります。
向いている方
- 上あごの成長が不足していることで受け口のような咬み合わせになっているお子様
- 骨格的な要因で下あごが前に出て見えるお子様
- 成長のピークを迎える前の、比較的早い時期のお子様
- あご自体の位置関係を整える必要があると診断された場合
メリット
あごの骨格そのものに働きかけられる装置であるため、成長期でなければ得ることが難しい効果を期待できる点が最大の利点です。早い段階で上あごの成長を促しておくことで、将来的に大がかりな外科的処置が必要になるリスクを減らせる可能性もあります。歯を動かす装置と組み合わせることで、見た目の咬み合わせだけでなく機能面の改善にもつながっていきます。
デメリット
顔の外側に見える装置であるため、装着中の見た目に抵抗を感じたり、外出時の使用をためらったりするお子様も少なくありません。使用できる時間帯が自宅にいる間に限られるため、日中しっかり使うことが難しく、決められた時間をどれだけ確保できるかが結果を左右します。また、成長のタイミングを逃してしまうと十分な効果を得にくくなるため、開始時期の見極めも重要になります。
ヘッドギア|特徴とメリット・デメリット
奥歯を支点として上あご全体の成長方向に働きかける、自宅使用が中心の装置です。
特徴
頭部や首の後ろを支点としたベルトから伸びるフレームを、口の中の奥歯に取り付けた装置とつなぎ合わせ、奥歯に後方への力をかけていく装置です。主に自宅で過ごす時間帯に使用し、上あごや上の前歯が前方に出ている状態を後方へ引き戻していくことを目的としています。
向いている方
- 上あごや上の前歯が前方に出ている、いわゆる出っ歯の傾向があるお子様
- 奥歯の位置をコントロールしながらあご全体の成長方向を整えたい場合
- 骨格的な要因が咬み合わせに影響していると診断されたお子様
- 装着時間を守れる協力的なお子様
メリット
奥歯の位置を安定させながら、上あご全体の成長方向を望ましい方向へ導いていける点が大きな利点です。骨格に働きかける治療法であるため、歯を動かすだけでは対応しきれない前後的なずれの改善にもつながります。他の装置と組み合わせることで、より安定した咬み合わせを目指していくことができます。
デメリット
顔の外に見える部分があるため見た目や違和感が気になりやすく、装着を嫌がってしまうお子様も少なくありません。決められた時間しっかり使用しなければ効果が得られにくく、お子様の協力度合いが治療の進み方を大きく左右します。使用中の運動や就寝時の姿勢にも配慮が必要になる点にも注意が求められます。
リンガルアーチ|特徴とメリット・デメリット
奥歯を固定源として永久歯のスペースを守る、見た目に影響しにくい固定式の装置です。
特徴
奥歯を固定源として、歯の裏側に沿わせる形でワイヤーを装着する固定式の装置です。主に乳歯が早期に抜けてしまった際に、永久歯が生えてくるまでのスペースを保つ目的で使用され、見た目に影響しにくい構造になっています。
向いている方
- 乳歯が早期に抜けてしまい、永久歯のスペースを保っておきたいお子様
- 奥歯が前方に移動してしまうのを防ぎたい場合
- 取り外し式の装置では管理が難しいと考えられるお子様
- 目立たない装置を希望するご家庭
メリット
歯の裏側に装着するため見た目にほとんど影響がなく、周囲から気づかれにくい点が大きな利点です。固定式であるため取り外しの手間がなく、装着を忘れる心配がないため、確実にスペースを維持していける安心感があります。将来的な永久歯の生えるスペースを守ることで、余分な歯の移動を防ぎ、後の治療をスムーズに進めやすくなる効果も期待できます。
デメリット
固定式であるため装置の周りに汚れがたまりやすく、通常よりも丁寧な歯みがきや清掃の意識が必要になります。歯そのものを大きく動かす装置ではないため、すでに生じている歯並びの乱れそのものを改善する目的には向いていません。装着期間が長期にわたることも多く、定期的な状態の確認が欠かせない点も理解しておいていただきたいポイントです。
装置矯正を無理なく続けていただくために
装置矯正は、装着して終わりではなく、決められた時間や期間を積み重ねていくことで効果が現れていく治療です。途中で装着を嫌がる時期があったり、うまく続けられているか不安になったりすることは、決して珍しいことではありません。上杉おとなこども歯科・矯正歯科では、通院のたびに装着状況やお子様の様子を確認しながら、無理のないペースで治療を進められるよう心がけています。装置の使い方に困ったときや、続けられるか不安に感じたときも、遠慮なく相談していただける環境を大切にしており、保護者の方とお子様が一緒に安心して取り組めるよう努めています。
通院しやすい環境づくり
当院では、お子様とご家族が最後まで無理なく楽しく通院を継続できるよう、環境面にも配慮しております。土曜日・日曜日・祝日も診療を行っているため、平日の学校やお仕事でお忙しいご家庭でもスケジュールを合わせやすく、休日を利用したゆとりあるご来院が可能です。また、院内には専門の保育士が常駐するキッズスペースを用意しており、小さなお子様連れやご兄弟・ご姉妹がいらっしゃる場合でも、待ち時間を安心して過ごしていただけます。
保護者の方へ
小児矯正の装置は種類が多く、どれが我が子に合っているのか判断に迷われる保護者の方も多いかと思います。装置選びは見た目の違いだけでなく、あごの成長段階や歯の生え変わりの時期によって適した選択肢が大きく変わってくるため、自己判断だけで進めるのは難しい面があります。お子様の将来の歯並びのために早めに相談しておきたいとお考えの保護者の方は、まずは上杉おとなこども歯科・矯正歯科までお気軽にご相談ください。お口の中の状態を丁寧に確認したうえで、それぞれのご家庭に合った装置と治療の進め方について、じっくりご説明させていただきます。ご来院・お問い合わせは、お電話またはWeb予約フォームからお気軽にどうぞ。
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